一軒家を建てる前に土地はどうやって決めた?

自分は神奈川しか住む気がなかった

狭小住宅はだめ! =都内はなし、狭い!という印象でNG!
神奈川生まれ、実家は横浜 =神奈川が良い、実家に近いとなお良い
土地の下落を危惧 =千葉・埼玉はちょっと・・NG
バスは絶対NG =徒歩20分圏内
都内で勤務 =都内にアクセスが悪すぎるのはちょっと。。
サーフィンが趣味 =海にある程度近くが望ましい

この様に考えると候補はそんなにありませんでした。
 田園都市線
 東横線
 東海道/横須賀線


■まずは住宅情報タウンズで相場の収集


まずは電車で出かけるついでに各候補の沿線の住宅情報タウンズで相場を調べてみた。。するとどうだろう。田園都市線~東横線は高いものがほとんどだったが、中には急行停車駅/徒歩20分圏内で自分でも買えそうな土地がチラホラ

「探せば掘り出し物的な土地があって買えそうだ!!」

苦労するかもしれないけど不動産屋巡りをして足で探せば絶対見つかるはず!!そう思ったのが初めの考えでした。


■各沿線の不動産巡り


まずは田園都市線(鷺沼、たまプラ、あざみ野、青葉台)と東横線(元住吉、日吉、綱島、菊名)の駅前周辺の不動産屋と知名度のある住友不動産/大和住販あたりで探してみた。

xxx円以内、xx平方メートル以上、徒歩20分圏内、、、で大量の情報の中からとにかくしらみつぶしで情報収集。。中にはそれなりに条件にあてはまるものがある。やはり割安なものばかりであった。だって自分の予算からすると田園都市線~東横線は少し高望みな沿線だったから、どうしても平均よりは安めな坪単価の土地が多い。

それでもひっかかる土地はある。あきらめず探せば絶対にある!!!

自分には努力して探し、それを実現できる自信があった。


■書類と現実の違い


ひとまず不動産屋の営業と一緒に絞り込んだ土地を片っぱしから現地めぐりした。周った中には多量の書類の中から自分で選んだものもあれば、条件の中で営業が薦める土地もあった。

書類上では「お!?良さそうな土地が安く出てるぞ!」と思って行ってみると

・うす暗い道を通り抜けてひっそりとした場所にある陰気な土地
・隣がいきなり崖で地震がとても怖くなる土地
・となりが超急斜面で日当たりが皆無な土地
・目の前の道がやたら狭くて車がまったく通れない土地
・すごく古い家に囲まれててなんとなく寂れた雰囲気の土地(失礼ですが)

とてもこんなところには住めない。。そんな土地ばかりでした。「そんな良い土地そうそうあるものじゃないな・・」というのが所感でした。原因は次に話す建売業者の存在が大きいのでしょう。

そんなこともあり結局田園都市線/東横線はあきらめました。無理やり住むことはできたのでしょうが、その場合ひどい/陰気くさい土地に住むことになるからです。そこまでするよりは多少妥協して東海道線にして、きちんとした明るい土地に住んだほうがよっぽど気分が良いだろうという考え。


■土地は予想以上に流動する。原因は建売業者。


あと一つ。土地を探すにあたって重要なポイントは「建売業者の存在です。

土地の買い物は数千万円単位の買い物です。自分のイメージではそんな高い買い物はじっくり長い時間をかけて調査して決めるものだと思っていた。別に今でもそう考えていますが、売りに出された土地は予想以上に直ぐに売れます。

仲介業者は良い土地の情報があると優先的に建売業者にその話を持っていく。

取引先が企業である為、比較的高値で売れるからです。高くかつ早く売れるため、売主にとってもメリットがある。購入した建売業者等はそこに建築条件付という条件をつけて建物とセットで市場に売り出す。これは利益率が高い建物を自分達でやる為と、土地を先に購入することで建売住宅に消費者を誘導する為だ。

一軒家を建てたい我々買主はそんな業者相手に「先に買う」か「建築業者経由で購入する」しかない。結局私は気に入った土地が建築条件付の売建業者であったため、後者のパターンになってしまい、業者の利益がのる分、高くついてしまった。(本当は前者を狙っていました)

仲介業者は直ぐに高く売れる業者に優先的に話を持っていくし、一般消費者よりも目利き力がある業者はプロであるため良い土地を見分けて即決する。一般消費者にとっては不利な状況ばかりである。実際いくつか気に入った土地がありましたが、2週間ぐらいかけて決めようかと考えているうちに仲介業者から電話がかかってきて「あの土地は売れてしまいました」との連絡。

よくよく聞くと買った相手は建売業者。土地の情報は様々な仲介業者で共有されているので、その営業マンが売ってしまったわけではないのですが、そんな件が私だけでも2件ありました。沢山見て、ようやく絞りこんだ2件の土地がそんなにあっさり売れてしまうとは。。。(結局その土地は自分は買わないつもりだったのでよかったのですが、その早さにはビックリ。)


建売業者は消費者に良い土地は買わせないようにするし、買ったとしても建築条件付として我々にとって不利益な条件を突きつけてくる。個人的にはこんなビジネスモデル最低だと思っています。(ただの横流しのくせに。。)だから不動産屋はひねくれてそうな人が多いのでしょう。(グチ)


まぁ、それは置いといたとしても、そんな状況に加えて、そこそこ土地を探している一般消費者は建売業者の存在にも気付いて、結構やっきになって探している人も多い。建売業者に加えてさらにそんなライバルがいます。よって良い土地は早ければ1週間、長くても1ヶ月という短い期間でさっさと売れてしまうのです。

普段から土地の情報に慣れておき、即決できるだけの予備知識を身につけておきましょう。あるいは建築士に土地探しも含めて依頼するのも手だと思います。結局私は高くついてしまいました。これから買う方はそんな事が無いようにお気をつけください。また、何か良い土地の見つけ方があったら是非教えてください。


■最後はインスピレーション


そして、結局自分はどうやって土地を見つけて購入したかというと、普通に仲介業者の紹介でした。色々土地は探していたので土地を見たその日に決めてしまいました。決めた理由を具体的に書くと

・駅から大通りをずっと歩いて行くだけなので明るい雰囲気で、かつ安心(嫁とか子供にとって)
・角地で日当たりばっちり。
・土地の形もそれなりに良く、建物も比較的自由にできそう。
・売建業者が分譲住宅地として売り出していた土地なので周りが新築の家ばかり(小奇麗なイメージになる)(売建業者の建築条件付の土地を買った唯一のメリットですね)
・駅からも徒歩圏内

こんな感じでした。条件の良い土地だったので坪単価は相場からするとやや高めで、広さは32坪とそんなに広くないです。しかし庭とかは別にいらなかったし、家もそんなに広い家ではなく100㎡前後の標準的な広さでよかったので、自分にとっては十分でした。値段も多少予算オーバーしましたが、なんとか買える程度に収まそうだったので20分ほど土地を眺めている間にどんどん買う気になっていきました。上記のように良い理由は具体的には言えますが、要は「自分がここに住みたいと思うか?」という事なのだと思います。

自分は住みたいと思いました。きっと色々土地を見ているうちに自分の買える範囲で「大体このぐらいかな?」という漠然としたイメージができていて、それに比べて少し良い土地が出てくると「あ、ここだったら住んでも良いかな?」という感覚が生まれてくるのでしょう。自分の場合はそうでした。


■後悔はした?


失敗した、とかだまされた~という点は無いわけではありません。自分の場合、、

・建物を建てる際に地質調査したらかなり土地が柔らかく地盤工事で80万円もかかった。。。
・売建業者から建築条件付の土地を買ってしまった(高くついたということ。まぁ建築条件付きを取っ払ったからなんですけどね。。)
   
この2点ですね。
地質がやわらかかった事については私のように土地の売主と建築業者が別々の場合は買うときにわかるのは結構難しいみたいです。地質調査は建物を建てる時にならないとやらないのが通常らしいからです。(本当は土地を売る前にやるのが筋でしょう、というのが本音ですが)

建売などの場合は購入時点で地盤が柔らかかった場合にどうなるかしっかり確認した方がよいでしょう。最近は第3者保障をつけている建売業者が多いですが、注意してください。第3者保障は「建物」「地盤」は別です!!建物に保障が付いていたとしても地盤は柔らかく結局地震に弱いということはあり得ます。保障が付いていると業者に言われても「それは地盤も含まれていますか?」としっかり聞き返してください。地盤保障が入っていなかったら「地盤改良が必要な場合に、その費用は入っていますか?」と聞き返してください。皆さんもくれぐれも気を付けてください。


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